ブログをリニューアルする際に当初Nuxt2で作成していたため、Nuxt3へ更新することにしたのですが、まだあまりドキュメントが整備されていなかったり、情報が見つけられず躓いたりした部分が結構あったため、備忘録として記載します。
Nuxt2からNuxt3に移行するための備忘録
※ この情報は2022/4現在の情報です。もしかしたら一部間違っているかもしれません。
※ 結論としては既存のProjectをNuxt3に移行するのは時期尚早という認識になりました。
基本的には公式ドキュメントを参照してください(わかりづらいですが……)
nuxt.config.js
ページトランジション
一応実装されていますが、名前付きトランジションは未実装のようなので、名前を変えている場合はそれ用にCSSを修正する必要がありそうです。
pageTransition: {
name: 'slide-bottom-fade',
},
この様になっている場合は下記のようにCSSのSelectorを修正する必要があります。
.page-leave-active,
.slide-bottom-fade-leave-active {}
// 以下省略
.page-{トランジションステップ名}
の形ですね。つまりはトランジション名がpage
になっています。
サーバーミドルウェア
serverMiddleware: [],
で記載していましたが、不要になりserver
ディレクトリで動的にルーティングするようになりました。
メタ情報
Nuxt2ではhead: { meta: [], link: []}
のように記載していましたが、Nuxt3ではmeta: { meta: [], link: []}
というようにheadがmetaに変わりました。……ややこしい
ちなみにcharset
の配置も元headのmetaの方に移動になったようです。viewport
とかと同列に書いていると2重で出力されます。
というか初期でutf-8が設定されているので、記述すらも不要かもしれません。
プラグイン
plugins
の記述は不要となり、自動インポートされるようになりました。
{ src: '@plugins/swiper', mode: 'client' }
のようにクライアントのみ動かしたい場合はswiper.client.js
のようにサフィックスをつければいいようです。
サーバーのみなら{name}.server.js
。
routerミドルウェア
router: { middleware: [] }
でルーティング毎に実行するjsを指定できましたが、こちらも自動インポートになりました。
ちなみにrouterオプション自体は機能するようですが、いまいちうまく動かなかったです。
ビルド
build: {}
で色々設定をしてたりしますが、バンドラーがwebpack
からvite
になった関係で記述が変わります。(要ドキュメント参照)
node_module
一部のmoduleが不要になりました。
また自分が確認した限りでの未対応モジュールとその対策です。
@fortawesome/vue-fontawesome
- → 2系から3系に変更
@nuxtjs/google-gtag
- → 未対応。
vue-gtag-next
に変更
- → 未対応。
@nuxt/components
- → 自動読み込みになったため不要
@nuxt/postcss8
- → 多分不要
@nuxtjs/axios
- → 不要。
useFetch
もしくは$fetch
で代用可能です。
- → 不要。
@nuxtjs/color-mode
- → 2系から3系に更新。ただしclient・serverレンダリングでのミスマッチになる不具合あり
@nuxtjs/feed
- → 未対応。自作するか?(ちょっとめんどくさくて調べてないです)
@nuxtjs/pwa
- → 未対応。自前でmanifestとserviceworkerを用意
@nuxtjs/recaptcha
- → 未対応。
recaptcha-v3
に変更
- → 未対応。
@nuxtjs/sitemap
- → 未対応。
sitemap
である程度自前にする必要がありそう。ただしnitro:generate
フックがなくなる不具合あり
- → 未対応。
@nuxtjs/style-resources
- → 未対応。scssで定義した変数などを使いたい場合は各コンポーネントで読み込むことで回避
cookie-universal-nuxt
- → 不要。
useCookie
で代用可能。
- → 不要。
cors
- → 不要。viteのproxy設定で代用可能らしい。自分の環境ではうまく行かなかったため自前APIを経由するようにした
lodash
- → 不要。デフォルトで含まれています。
vue-awesome-swiper
- → 不要。作成者が本家がvue対応しているからそっちを使うことを推奨している
vue-infinite-loading
- → 未対応。
v3-infinite-loading
に変更。ただコンポーネントでwarnが出る?
- → 未対応。
vue-lazyload
- → 3用の
vue3-lazyload
に変更
- → 3用の
ファイル & ディレクトリ
静的ファイルディレクトリ
favicon.ico
などの静的ファイルを配置するディレクトリとしてNuxt2ではstatic
ディレクトリがありましたが、Nuxt3ではpublic
ディレクトリに変更になったようです。
自動インポート
Nuxt3では一部のディレクトリのファイルは自動的にインポートされます。
いちいちimportだのnuxt.config.jsに記載だのしなくていいので非常に楽です。
- components
- nuxt.config.jsでの設定はなくても読み込みますが階層ごとにアッパーキャメルケースが必要になるので、不要の場合は従来どおり設定をする必要があります。
- composables
- Nuxt3で使用することになるuseState用のディレクトリ(だと思っている)
- トップレベルのファイルとサブディレクトリ内のindexファイルのみ読み込みます。それ以外は手動で読み込む必要があります。
- hooks
- 旧Mixinをこのディレクトリで書き換えていますが、これが正しいのかはわかりません。
- 手動で読み込む必要があります。
- 追記:結局旧mixinはcomposablesに移動させました
- layouts
- 従来どおり。ただし
error.vue
はnuxt.config.js
と同階層に移動しました。
- 従来どおり。ただし
- middleware
- 仕様が変わっているようなので詳しくは公式ドキュメント参照
- とりあえずnuxt.config.jsに記載しなくても読み込まれました(サブディレクトリ以下は未検証)
- pages
- 従来どおり
- plugins
- トップレベルのファイルとサブディレクトリ内のindexファイルのみ読み込みます。それ以外は手動で読み込む必要があります。
- server
- API用に
pages
同様に動的ルーティングされます。 - pagesとかぶった場合は知りません。
- API用に
動的ページ
/articles/1
みたいに1
の部分を動的にルーティングしたい時にNuxt2では/pages/articles/_id.vue
もしくは/pages/articles/_id/index.vue
として設定することができます。
_名称
でroute.param.名称
として使用できる形ですね。
Nuxt3ではここも変更になったようで[名称]
という形式になったようです。
この変更の利点として、一つの階層で複数のパラメータを設定できるという点ですね。
/sample/[param1]-[param2].vue
みたいな場合/sample/A-B
にアクセスするとroute.params.param1
でA
、route.params.param2
でB
と取得することができます。
ちなみに[param1]and[param2]
のような感じでやると思ったように取得できませんでしたroute.params.param1and
route.params.param2
みたいな感じでパラメータの区切りがおかしくなりました。
あと[...array]
とすると階層も動的になるらしく、/1/2/3
にアクセスすればroute.params.array
の返り値が['1', '2', '3']
となります。
ただしこちらはトレイリングスラッシュがある(/1/2/3/
みたいな)と['1', '2', '3'、 '']
になるので、注意が必要です。
使い所はまだよくわかりませんが、URL設計がより細かくできるようになりますね。
error.vue
Nuxt2ではlayouts/error.vue
で設定していましたが、Projectルートになったようです。(app.vue
と同階層)
ただNuxt2から更新したせいか、そのままでは動かずハマりました……
結論からするとyarn.lock
ないしpackage.lock
を一度削除してから再度nodeモジュールを再インストールすると解決します。
多分依存モジュールあたりの関係でしょうね。
あとNuxt2ではレイアウトを使用している場合はそのままdefault.vue
を読み込んでくれてましたが、どうやら自動では読み込まれないようです。
<template>
<NuxtLayout name="default">
<!-- エラーページ処理 -->
</NuxtLayout>
</template>
のようにレイアウトの指定が必要なようです。
ただこれ、エラー後にページ遷移するとレイアウトが切り替わったと判定されるようで、再度レイアウトファイルが読み込まれます。悲しいなぁ……
解決策無いんですかね……pages/error.vue
とかもだめでしたし(そもそもエラーページが機能しなくなる)
ちなみにこの関係でlayouts/default.vue
をapp.vue
に切り替えができませんでした……(うちのサイトはレイアウトが一つしかないのでapp.vueでもよかった)
app.vue
に対してページと同じようにerror.vue
が機能してくれるのが多分一番スッキリするんですけどね。
処理
mixin
mixin自体はなくなったようです。(未実装ではなく無くなった)
mixinでmeta属性を切り替える処理をしていたのですが、自分はhooks
ディレクトリに作成しました。
追記:結局composablesに移動させました。hooksディレクトリは正直使いみちよくわからんです(というか公式にもないしどこから出てきた情報だこれ。過去の自分よ)
Nuxt2ではmixins/meta.js
を各ページでimport Meta from '~/assets/mixins/meta';
mixins: [Meta],
のように使っていました。
export default {
head () {
const head = {};
head.title = this.meta.title;
return head;
}
}
Nuxt3では~~hooks/useSetMeta.js
composables/useSetMeta.js
を各ページでimport useSetMeta from '~/hooks/useSetMeta';
~~ useSetMeta({ title: '記事一覧'});
のように変更しました。
export default function (metaData) {
const head = {};
head.title = metaData.title;
useHead(head);
}
この方法で正しいのかはわかりませんが、とりあえずこれで動きました。
emits & on
Nuxt2(vue2)ではコンポーネント間のデータのやり取りにイベントバスの方法を使っていましたが、vue3ではどうやら導入されていないらしく別の記述に変更しました。
Nuxt2ではthis.$nuxt.$on('name', method);
で登録し、this.$nuxt.$emit('name', arg);
で呼び出しをしていました。
Nuxt3ではprovide&emitsで対応していきます。provide('name', method);
で登録し、$name(arg);
で呼び出し。
それぞれ{ provide } useNuxtApp();
{ $name } useNuxtApp();
が必要です。
store
vuex
が廃止されuseState
で簡易的に状態管理ができます。Nuxt公式的にはpinia推奨らしいです。
自分はそこまで使ってないのでuseStateで使ってます。ただしvue Developer toolでstoreとして読み込んでくれませんのでそこは注意です。
export const useStatus = () => {
const currentPageId = useState('currentPageId', () => 'unknown');
return { currentPageId };
}
style
vueでは:style="{color:red}"
のようにstyle属性にオブジェクトでCSSを記述することが可能でしたが、自分が試した感じですとなぜかSSR時には機能してくれませんでした……(Galleryページで使用していた)
ページ遷移で再レンダリングされるときは機能するんですけどね……
しかたないので、vue3の新機能である<style>
に対してjs変数を当て込める方法で対処しました(幸い使っているところはコンポーネント化していたのでscoped styleでclassに当て込んでも問題なかったので)
<script setup>
const style = { color: red };
</script>
<style lang="scss" scoped>
.text {
--color: v-bind(style.color);
color: --color;
}
</style>
こうすることでcolor: red;
として機能します。これ結構便利になりますね。(この場合は厳密には出力されるのはcss変数の--color: red;
ですが)
QA
どの見出しにも入らなそうなのをQAという形で。。。
- Q. なんか消したはずのscssファイルが読み込まれてエラーでるんだけど
- A. Cookieを削除してください(デベロッパーツールのネットワークのキャッシュを無効にしてもこの現象が出ました)
- Q.
localhost:300
と{ローカルIP}:3000
で挙動が異なるんだけど- A. Cookieを削除してください
- Q. どのmoduleがNuxt3に対応してるの?
- A. 各自で調べてください。最悪vue3用が使えるかもしれませんので対応してなければそちらを使用してください。
- Q. プラグインから別のプラグインでprovide(inject)した関数を使いたいんだけどserverサイドで死ぬ
- A. provide前に呼び出されているのが原因で、プラグインが自動読み込みになっておそらく名前順なので、ファイル名を変更したらもしかしたら行けるかも。nuxt.config.jsに従来どおり読み込み設定をすれば名前を変えなくても行けるのかな?
最後に
とまぁ既存のNuxt2ProjectをNuxt3にアップグレードを試してみましたが、まだ移行するには早いですね……
イチから作るProjectならNuxt3でもいいかもしれませんが。
でもvue3のscript setupの記述とかviteとか結構いい感じに作れるので、現時点ではNuxt2
+unplugin-vue2-script-setup
の組み合わせに留めたほうがいいかもしれません。
このブログも当初Nuxt3化しようと思いましたが、ブランチは塩漬けにして、そこからunplugin-vue2-script-setup
版を生やしてそっちでReleaseを進めようと思います(´・ω・`)